スペインのマドリードで入手した香蘭社製の菊御紋付瑠璃釉花瓶を出品致します。言うまでもなく、皇室からの御下賜品ですので、通常は家宝とされ、オークションなどの形で市場に現れるものではありません。従って、入手しようと思ってもできるものではありません。

一九三〇年(昭和五年)12月、 高松宮宣仁親王殿下と喜久子妃殿下がスペインをご訪問されています。皇族がスペインを訪問したのはこれ以前にはなく、これ以後では、サンフランシスコ平和条約締結後の1953年の明仁皇太子(当時)御訪問になりますから、昭和5年頃にスペインの政府関係者に贈呈されたものと推測されます。香蘭社の蘭の銘も丸みのある銘であり、大正から昭和10年代に使用された銘の特徴を表しています。

寸法は、高さが22cm、幅が12cmです。ワレ、かけ、ヒビなどの瑕疵はありません。ほぼ未使用と言っても良い保存状態の良さです。

尚、本作と併せて対として入手した深川製磁製の同手の花瓶も出品しておりますので、併せてご検討頂ければ幸いです。


注: 最近、私の写真と説明文をそっくりそのまま盗用した詐欺サイトがいくつかあるようです。呉々も騙されないようにご注意下さい。